脂肪肝は何科に行くべきか

健診で脂肪肝と言われたら

脂肪肝は何科に行くべきか

脂肪肝やALT高値を指摘されたら、まずはかかりつけ医・内科で相談し、必要に応じて消化器内科や肝臓専門医へ進むのが現実的です。糖尿病、肥満症、睡眠時無呼吸などが重なる場合は、生活習慣病全体を見られる診療も重要になります。

この記事は一般的な医学情報です。受診先は、症状、検査値、地域の医療体制、紹介状の有無、持病によって変わります。黄疸、強い倦怠感、腹痛、急な肝機能悪化がある場合は早めに医療機関へ相談してください。

この記事では、話題性だけで判断せず、根拠、限界、見直しが必要な場面を分けて整理します。必要以上に不安をあおらず、相談の材料になる形を目指します。

実際には何を見ていくか

病名だけを見て一気に結論を出すより、症状、検査値、合併症、生活背景を分けて確認した方が判断しやすくなります。この記事でも、必要以上に不安をあおらず、次に確認する点を整理します。

図解で要点を確認

脂肪肝は何科に行くべきかの図解1: 受診先の考え方
脂肪肝は何科に行くべきかの要点を整理した図解です。
脂肪肝は何科に行くべきかの図解2: 紹介を考えるサイン
脂肪肝は何科に行くべきかの要点を整理した図解です。

まず押さえたいこと:まず内科、必要なら消化器内科・肝臓専門医

日本肝臓学会の奈良宣言2023では、健診の基準値内であってもALTが30 U/Lを超えていた場合、まずかかりつけ医等を受診することが勧められています。そのうえで、採血や腹部超音波検査を受け、必要と判断されれば消化器内科でより詳しい検査を受ける流れが示されています。

つまり、脂肪肝と書かれていたから必ず最初から大学病院へ行く、というより、まずは内科・かかりつけ医で原因とリスクを整理し、紹介が必要かを判断するのが自然です。

なお、従来NAFLDと呼ばれていた領域は、近年MASLDという名称に整理されています。脂肪肝の中でも炎症や肝細胞障害を伴う状態はMASHと呼ばれます。

受診先の使い分け

相談先のレベル 向いている状況 主に見ること
かかりつけ医・一般内科 健診で脂肪肝、ALT/AST高値を初めて指摘された 再採血、飲酒・薬剤確認、肝炎ウイルス検査、腹部エコーの相談
消化器内科 肝機能異常が続く、腹部エコー異常、胆石や胆道系も気になる 肝臓・胆道・膵臓を含めた評価、画像検査、専門的な原因検索
肝臓専門医 FIB-4高値、血小板低下、肝硬変疑い、ウイルス性肝炎、MASH疑い 消化器内科・肝臓内科などで肝臓専門医資格を持つ医師による評価
糖尿病・肥満症外来 糖尿病、肥満症、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸を伴う 体重、血糖、脂質、血圧、睡眠、肝臓リスクをまとめて管理

専門医へ進んだ方がよいサイン

  • ALT・AST高値が続いている
  • FIB-4 indexが1.3以上など高め、または血小板が低い
  • 腹部エコーで肝硬変疑い、脾腫、腫瘤、胆道異常を指摘された
  • 肝炎ウイルス検査が陽性、または検査歴がない
  • 黄疸、強い倦怠感、腹痛、急な肝機能悪化、腹水、むくみ、吐血・黒色便などがある
  • 糖尿病、肥満症、睡眠時無呼吸などが重なっている

FIB-4の線引きは年齢によって変わるため、数値だけで自己判断せず、必要なら関連記事の「FIB-4 indexが高いと言われたら」も確認してください。日本肝臓学会は肝臓専門医一覧を公開していますが、肝臓専門医は独立した診療科名ではなく、消化器内科・肝臓内科などの中で肝臓を専門にする医師を指します。地域によって受診方法や紹介状の要否は異なるため、まずは近くの医療機関で相談し、必要に応じて紹介してもらう流れが実用的です。

受診時に持っていくとよいもの

健診結果

AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビン、血小板、HbA1c、脂質の値がわかるもの。

過去の検査

前年までの健診、腹部エコー、CT、肝炎ウイルス検査の結果。

薬・サプリ

処方薬、市販薬、漢方、サプリメント、筋トレ系製品も含めて確認します。

飲酒量

1日量だけでなく、週末にまとめて飲む量も大切です。

主治医に聞くとよい質問

  • 脂肪肝だけで説明できる検査値ですか。
  • 肝炎ウイルス検査は受けた方がよいですか。
  • FIB-4 indexや腹部エコーは必要ですか。
  • 消化器内科や肝臓専門医への紹介は必要ですか。
  • 糖尿病、肥満症、睡眠時無呼吸なども一緒に評価した方がよいですか。

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根拠・参考

  • 日本肝臓学会 奈良宣言2023 一般向けページ。https://www.jsh.or.jp/medical/nara_sengen/ippan.html
  • 日本肝臓学会 肝臓専門医一覧。https://www.jsh.or.jp/medical/specialists/specialists_list.html
  • 厚生労働省 肝炎ウイルス検査について。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kanen/kangan/hepatitis_kensa.html
  • AASLD Practice Guidance on NAFLD. PMID: 36727674.
  • EASL-EASD-EASO Clinical Practice Guidelines on MASLD. PMID: 38851997.

この記事は三浦正樹個人による医学情報発信であり、所属機関の公式見解ではありません。特定の医薬品・検査・医療機関を広告する目的ではありません。